【サステナブル】プラスチックフリーとは何か?意味や目的、取り組みについて解説

「海洋プラスチックごみ」や「気候変動」などの問題をきっかけに注目を集めるようなった「プラスチックフリー」。この記事では「プラスチックフリー」の意味や、背景にある環境問題、具体的な取り組みについてわかりやすく解説します。

 

 プラスチックフリーの意味

「プラスチックフリー」(Plastic Free)とは、プラスチック製品の使用を減らし、環境への負荷を軽減することを目指すアクションやライフスタイルのこと。

 例えば、プラスチックの代替素材だけでつくられた商品を積極的に購入することや、レジ袋の代わりにエコバッグを使うことなどは、プラスチックフリーな取り組みと言えます。

 

プラスチックフリーの背景にある環境問題

プラスチックフリーに注目が集まっている背景には、プラスチックごみによる深刻な環境汚染の問題があります。

世界のプラスチック量の増大

身の回りのあらゆるものに使われているプラスチックは、1950年代頃から急速に生産量を増やし、その多くが適切に処理、再利用されることなく使い捨てられてきました。

環境省の「令和元年版環境・循環型社会・生物多様性白書」によると、1950年以降に世界で生産されたプラスチックは83億トンを超え、そのうち63億トンがごみとして廃棄されたと言われています。

プラスチックごみがもたらす海への影響

廃棄されたプラスチックの多くは海に流れ込み、海洋生物に大きな影響を与えています。

WWFジャパンによると、世界の海に存在しているプラスチックごみの量は合計で約15000万トン。そこへ少なくとも毎年約800万トンのプラスチックが新たに海へ流れ込んでいると考えられており、2050年には海洋中のプラスチックごみの量が魚の重量を超えるという試算もあります。 

こうして海に蓄積したプラスチックごみを餌と間違えて食べるなどして、たくさんの海洋生物が命を落としています。その影響は、漁業や養殖、観光といった産業分野にも大きな損失を与えており、私たちの生活に大きく影響しているのです。

 また、一度流失したプラスチックは小さくなったとしても自然分解することなく、数百年以上自然界にとどまり続けると言われています。プラスチックの排出量を減らさなければ、自然界に蓄積するプラスチックの量は増え続け、海洋生物だけでなく地球全体に悪影響を及ぼすことになります。

プラスチックによる気候変動への影響

石油などの化石燃料からつくられるプラスチックは製造や焼却の過程で温室効果ガスであるCO2を大量に排出します。温室効果ガスは地球温暖化に影響を与えており、近年増加している森林火災や豪雨災害なども、地球温暖化による気候の変動が原因のひとつであると考えられています。

実は、産業革命前の1880年から2012年の132年間で世界の年間平均気温が0.85℃上昇しています。今後、さらに平均気温は上昇すると予想されており、海面水位の上昇による高潮の発生、食糧不足による飢餓、生態系にも大きな悪影響を与えるなど、深刻な問題が懸念されています。平均気温の上昇を抑えるには、CO2の排出を削減するよりほかありません。


私たちにできるプラスチックフリーな取り組み

プラスチックフリーは、海洋ごみ問題や気候変動問題の解決につながる取り組みのひとつです。私たち一人ひとりができる、プラスチックフリーな取り組みをご紹介します。

 ●プラスチック製品を使わない

プラスチックの削減に最も有効なのは、新たなプラスチック製品をつくらない、買わないことです。日常的に使用してきたプラスチック製品を見直してみましょう。

 例えば

・レジ袋を買う代わりにエコバックを使う
・ペットボトルを買わずにマイボトルを持ち歩く
・プラスチック製ラップや容器の代わりに繰り返し使える蜜蝋ラップ等を使う 

など、簡単に始められることがたくさんあります。

● プラスチックフリー製品を使用する

これまで使っていたプラスチック製品をプラスチックフリー製品に置き換えることも、プラスチックフリーな取り組みのひとつです。シリコンなど紙、竹、木材などの素材を使った製品はプラスチックの廃棄量を減らすだけでなく、繰り返し使うことができるので経済的。身の回りのプラスチック製品を見直し、プラスチックフリー製品への置き換えを検討してみましょう。

イベントやキャンペーンへの参加

自主的に始めるのが難しいという人は、イベントやキャンペーンを通して始めてみてもよいかもしれません。いくつかご紹介します。

・プラスチックフリージュライ
毎年7月にはプラスチック廃棄物の無い世界を実現することを目標としたエコ運動「プラスチックフリージュライ」が世界中で開催されています。プラスチックフリージュライは公式サイトから参加表明をすればだれでも簡単に参加することが可能です。気軽に始められる取り組みが多数紹介されているので、ぜひ参加してみてください。

・春の海ごみゼロウィーク
毎年5月30日「ごみゼロの日」、6月5日「環境の日」、6月8日「世界海洋デー」の3つの記念日を含む5月28日から6月12日の期間を「春の海ごみゼロウィーク」とし、全国一斉清掃キャンペーンを展開しています。

・秋の海ごみゼロウィーク
毎年9月17日「World Cleanup Day」から9月25日までの期間を「秋の海ごみゼロウィーク」とし、全国一斉清掃キャンペーンが展開されています。

 

GoodsHubで取り扱うプラスチックフリー商品

GoodsHubで扱っているプラスチックフリー商品をご紹介します。詳しい情報は、各商品ページにてご確認ください。

CLI-LAB 「紙クリップ」

                 

MiYO ORGANIC「竹綿棒」

               

 

一人ひとりがプラスチックフリーな選択を

プラスチックの生産や廃棄による地球温暖化や海洋汚染への影響は年々深刻さを増しています。プラスチックの使用量を減らし未来の地球環境を守るために、一人ひとりがプラスチックフリーな選択を意識することから始めてみましょう。

 

◆参考・出典
一般社団法人Japan noharm Association
日本財団
PLASTIC FREEJULY
「環境省」令和元年版環境/循環型社会/生物多様性白書

「環境省」気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第五次評価報告書 (2014年)